2010年3月11日(木) 21:58 JST

キーパーソン、「IBM iマニフェスト」を語る ~ 矢花達也 氏

新技術に対応する人材の高度化が最大の活性化策になる


矢花達也 氏
株式会社イグアス
代表取締役社長

System iの自己完結度の高さがIT市場全般の流れと相反

IBM i(System i)は、素晴らしいお客様がたくさんおられる非常に堅調なマーケットを形成する優れた製品です。その利用領域をもっと広げていきたいと願っていますが、その一方で、最近はSystem iならではのよさがお客様に伝わりにくくなっているとも感じています。

その理由は、IT市場の大きな流れの変化にあると考えています。ITの効果的な活用は、もはやメーカー1社の技術だけではなく、標準の技術、あるいは人気や実績のあるソリューションを最適に組み合わせてシステムを構築する方法が一般的になりました。

System iはプログラムの開発生産性や運用性が高く、自己完結型の利用ではその優位性は明らかですが、でも組み合わせの自由度を重視した場合はオープン系のサーバーより選択肢が少ないのは確かです。また最近のIT市場はハードウェアではなくソフトウェア主導で動く傾向にあります。つまりユーザーは、自社に最適なソリューション製品をまず選び、次にそれを最適に稼働させるサーバー環境を決定するわけです。

ソリューションの拡充に出遅れたSystem iは、結果的にこうした大きな流れから取り残された印象がありますね。こうした状況を背景にすると、System iを使ったことのないユーザーの方々が、その優位性を理解しにくいのも仕方がないことかもしれません。

また常に新しい技術を志向する若い世代の技術者にとって、System iは興味を掻き立てられる存在になりにくいことも残念に思います。

オープンソースや人気製品の普及が利用領域の拡大へ

ただIBMもこうした状況は把握していて、最近ではソリューションの充実やオープンソース・ソフトウェアのサポートなどに力を入れています。イグアスでも、PHPの日本語版やトレーニングコース、オープンソースのRDBMSであるMySQLの日本語サポート、それに人気の高いJavaフレームワークである「intra-mart for i」を提供するなど、オープンソースや実績のある人気製品を普及すべく努力しています。

ただし、こうしたソフトウェアがSystem iで利用可能であることはまだまだ知られていません。

我々もIBMとともに、共通の理解や情報の共有レベルを高めるよう、より活発なプロモーションやプロジェクトでの活用、実装例の公開などに力を入れていくつもりです。

System iではRPGによる基幹業務アプリケーションの開発が今も堅調で、ベンダーにとっては安定的にビジネスを継続させる貴重な場ですが、いつまでもRPGだけではWebアプリケーションなど新しい時代の要請に
対応できません。

長い実績を誇るRPGの限界がそのままSystem iの限界とならないよう、オープン系の技術を積極的に活用して、利用領域を広げていくようパートナーの方々とともに取り組んでいこうと考えています。

またJBグループでも、各社の個性を活かしながら相互に連携し、各社の機能を有機的に組み合わせて、System i市場の拡大に取り組んでいます。

それに何より、こうした新技術を活用するスキルやノウハウを高めていくことが重要です。

イグアスでも、パートナーの方々に対して各種トレーニングなどスキルアップの場を提供しています。

これ自体はビジネスではありませんが、新しい技術に対応可能な人的スキルの向上が新たなビジネスチャンスを生み出し、結果的にはSystem iの最大の活性化策になると考えています。

最終更新日: 2009年1月 3日(土) 03:14 JST; 2,503 閲覧件数 印刷用画面

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